Takuto's blog

不定期にゆるく Character Animation と Computational Fabrication 関する有名な論文を紹介していきます.

【論文紹介】 Real-time motion retargeting to highly varied user-created morphologies

Real-time motion retargeting to highly varied user-created morphologies

Chris Hecker, Bernd Raabe, Ryan W. Enslow, John DeWeese, Jordan Maynard, and Kees van Prooijen. 2008. Real-time motion retargeting to highly varied user-created morphologies. In ACM SIGGRAPH 2008 papers (SIGGRAPH '08). ACM, New York, NY, USA, Article 27, 11 pages. DOI: https://doi.org/10.1145/1399504.1360626

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概要

この論文はシムシティでお馴染みの Maxis の開発者によって投稿された2008年の論文です.Maxis の作品の一つに Spore と呼ばれる,生物の進化をモチーフにしたゲームがありますが,この Spore では微生物の状態から環境に合わせてプレイヤーが遺伝子(生物の身体の構造やトポロジ)を進化させて,いずれは高度な知能を持つ生物まで育てていきます.その生物編集機能が実によくできていて,足や手や目の数,また身体の長さなどの構造がどんなに変化しても,ある程度違和感のないアニメーションがプロシージャルに生成されています.この論文はその生物のアニメーションのプロシージャルな生成方法について解説しています.手法自体はかなり複雑なのですが,主に Inverse Kinematics を活用し,また予め定められたデータ間の関係性を利用しながらアニメーションを生成しているようです.

感想

この論文もよく,アニメーションの整合性を保ちながらアーティストがキャラクターの身体の構造を変化させる論文の参考文献に挙げられます.キャラクターの身体構造は普通変わらないので,身体の構造が変化してもアニメーションの整合性が取れていることに感動しました.この Spore のキャラクターモデルは後の Disney Research Zurich で活躍される Moritz Bächer さんの論文に影響を与えています.