【論文紹介】 Real-time motion retargeting to highly varied user-created morphologies
Real-time motion retargeting to highly varied user-created morphologies
概要
この論文はシムシティでお馴染みの Maxis の開発者によって投稿された2008年の論文です.Maxis の作品の一つに Spore と呼ばれる,生物の進化をモチーフにしたゲームがありますが,この Spore では微生物の状態から環境に合わせてプレイヤーが遺伝子(生物の身体の構造やトポロジ)を進化させて,いずれは高度な知能を持つ生物まで育てていきます.その生物編集機能が実によくできていて,足や手や目の数,また身体の長さなどの構造がどんなに変化しても,ある程度違和感のないアニメーションがプロシージャルに生成されています.この論文はその生物のアニメーションのプロシージャルな生成方法について解説しています.手法自体はかなり複雑なのですが,主に Inverse Kinematics を活用し,また予め定められたデータ間の関係性を利用しながらアニメーションを生成しているようです.
感想
この論文もよく,アニメーションの整合性を保ちながらアーティストがキャラクターの身体の構造を変化させる論文の参考文献に挙げられます.キャラクターの身体構造は普通変わらないので,身体の構造が変化してもアニメーションの整合性が取れていることに感動しました.この Spore のキャラクターモデルは後の Disney Research Zurich で活躍される Moritz Bächer さんの論文に影響を与えています.