Takuto's blog

不定期にゆるく Character Animation と Computational Fabrication 関する有名な論文を紹介していきます.

【論文紹介】Motion-guided mechanical toy modeling

Motion-guided mechanical toy modeling

Lifeng Zhu, Weiwei Xu, John Snyder, Yang Liu, Guoping Wang, and Baining Guo. 2012. Motion-guided mechanical toy modeling. ACM Trans. Graph. 31, 6, Article 127 (November 2012), 10 pages. DOI: https://doi.org/10.1145/2366145.2366146

概要

Peking University, Hangzhou Normal University, Microsoft Research Asia, Microsoft Research による2012年の研究です.多くの Character Animation に関する Fabrication の研究はこの論文から派生しているのではないかと思います.アーティストが形状とそれに対する動きをパラメータとして入力すると,その動きを実現するオートマタ(からくり人形)のための機構を自動的にデザインしてくれます.デザインされた機構は3Dプリンタなどの Additive Manufacturing 技術を用いて簡単に具現化が可能です.初期化時の最適化には主に Simulated Annealing 法が用いられ,部品同士が衝突しない範囲で類似度が高くなるように(相違が低くなるように)コスト関数が設定されています.最終的な微調整には CMA-ES 等の確率的最適化を活用しているそうです.

感想

鬱病になって世の中に楽しいものがあるとは思えなくなったことがあります.また,楽しいと思えたときに,その感覚が一日後にも続いていないのではないか,そもそも自分の”面白い”や”楽しい”になんの信憑性もないのではないかと自信を失いました.そこでこの論文に出会いました.自分の求めていた研究だと思い,Computational Fabrication 研究の道に進むことに決心させてくれた論文の一つです. アーティストが実現したいアニメーションに対して,理想的な機構を計算するフレームワークの基本をこの論文が指し示してくれたのではないでしょうか.