Takuto's blog

不定期にゆるく Character Animation と Computational Fabrication 関する有名な論文を紹介していきます.

【論文紹介】 Fabricating articulated characters from skinned meshes

Fabricating articulated characters from skinned meshes

Moritz Bächer, Bernd Bickel, Doug L. James, and Hanspeter Pfister. 2012. Fabricating articulated characters from skinned meshes. ACM Trans. Graph. 31, 4, Article 47 (July 2012), 9 pages. DOI: https://doi.org/10.1145/2185520.2185543

概要

この論文では,仮想的な空間いわゆる 3DCG におけるキャラクタのメッシュを3Dプリンタのような Additive Manufacturing 技術によって製造するための課題,物理的に実現可能な関節の生成に取り組んだ論文です.3DCG のキャラクタは一般的に関節の構造を持ち,ボーンやリグと呼ばれる姿勢を表す情報によって,3D のメッシュの頂点座標を動かしています.ボーンを操作した際にメッシュの頂点がどのように移動させるかは様々な手法があるのですが,本論文では動作が軽くまた広く知られている LBS (Linear Blend Skinning) に基づいて議論してます.本論文ではスキニングの際に良く頂点が移動する場所は,3Dプリンタの ABS 樹脂のような硬い素材では実現不可能であると考え,その場所に蝶番やピンのようなジョイントを配置することで,3DCG と似たスキニングができるように工夫しています.

感想

複数の 3D メッシュ情報のからボーン,スケルトン情報を抽出する研究は時々見つかるのですが,この論文は印刷可能にするまでに落とし込むところまで議論しているところが面白いです.筆者の一人は当時ハーバード大学,後に Disney Research Zurich で活躍される Moritz Bächer さんです.僕はこの論文を読んで,はじめて Computational Fabrication と Character Animation の融合には,関節化 (Articulation) が本質的に関わっているのだと確信しました.